いまや、スマホの普及率は94%以上となっていて、誰しもがだいたい1台は持っているという時代です。
情報のチェック、写真、動画、音楽、スマホではいろんなことができますね。
では、スマホでFAXは出来るでしょうか?
しかも無料で!
結論から先に申し上げますと、スマホ単体アプリで無料FAXは出来ません
今回、インターネットFAXラボでは以下の要件を満たすFAXアプリを厳選して検証してみました。
【Android系スマホ】
- GooglePlayに登録されているFAXアプリ(=ブラウザ利用でない)
- レビューの評価が4.5以上で、なおかつ日本語のレビューがある
【iOS系スマホ】
- FAXで検索して表示される上位16のFAXアプリ
たしかに、1日数枚だけFAXが送信できるというサービスもありますが、操作が煩雑で決して万人におすすめできるようなモノではありません
また、無料で受信ができるFAXサービスはひとつもありませんでした
強いて言うなら、eFAXの無料トライアルを利用して送受信すると言うのが、一番安全安心かも知れません
ただし、eFAXはAndoridでは新規申込ができるのですが、iOSでは出来ませんでした。
詳細については後述しますが、なによりも「そのアプリをどこがリリースしているか」というのがよくわかりません
Googleのアプリの審査は激甘で知られています
審査が厳格であるといわれるAppleでも、今回検証してみたところ名前だけが違うだけで内容は同じというFAXアプリが幾本もみられることから、やはりセキュリティには留意した方が良さそうです
個人情報漏洩の可能性がありますので、安易にインストールして使用しないように気をつけたいですね
希望の星は”Snapfax”です
なかなか、出だしから厳しいことをいってしまいましたが、そんな中で今回試してみてよかったのが「Snapfax」と「メッセージプラス」「eFax」のアプリです
ここでもまたeFaxか!と思いました
ほんと、eFaxはインターネットFAX会の王者と言った風格ですね
「Snapfax」は実際にアプリを使用するまでは全く存在をしらなかった、いわばダークホースです
しかしながら、「スマホでFAXを送る」という事に関しては、現状では一番最適なアプリだと感じました。
これらのアプリについては、もちろん後でたっぷりと解説いたします
FAXアプリは”オワコン”です
こんにちわ、わたくしフリーライターをしていますサカイと申します
今回のテーマは「eFaxなどの主要なインターネットFAXサービスを使用せず、スマホ単体だけでFAXの送受信はできるのか?」という、いわば縛りプレイです
ただし、eFaxとメッセージプラスはスマホアプリもリリースしていますので、これらも含めて検証してみましょう
今回の検証したFAXアプリはAndroid系で12アプリ、iOS系で16アプリです
大きく2つのグループに分かれます
- インターネットFAXサービスがリリースしているアプリ(eFax、メッセージプラス)
- 単独のサービスとしてリリースしているFAXアプリ(その他)
結論から言うと、どれも一長一短でした
正直に言いましょう
スマホだけでFAXをするメリットは、かなり限定的です
正直、他のジャンルのアプリにあるような「このアプリは最新のテクノロジーが駆使されているな」とか「AI技術などが積極的に使われているな」というような先進感はまったくありません
むしろ、反対に”オワコン”だなーと、しみじみ思ってしまいます
その原因としては、以下のものがあげられます
- 日本語に対応していない
- FAX番号を国番号(+81)から入力しなければならい
- 会員登録が必要
- 複数の宛先に一括して送信できない
- 受信ができない、または、受信に高価なコストがかかる、日本の番号が選べない
- 送信に高いコストが必要
- インターネットFAXサービスを契約するより高価な月額料金などが必要
- 送信ファイル形式が不明
- 写真を撮影後に歪みを補正できない
特に、「2.FAX番号を国番号(+81)から入力しなければならい」について、逆に、国番号を入れずに普通の感覚で送信出来るのは「Snapfax」「メッセージプラスだけ」でした
(新規で月額料金等を要求してくるアプリは登録をしていないので検証していません)
どうしてもスマホでFAXを送信しなければならないとき、eFaxやメッセージプラスを契約していなければ、Snapfaxを使って送信する……というのがおすすめで
ここ数年のOSアップデートでどんどん脱落していきました
AndroidのOSはどんどん最新へとアップデートされていきます
そのため開発側はアップデートに対応するため、アプリをアップデートしなければなりません
このアプリ・アップデートに見合うだけのニーズがFAXアプリにはありません
例えば3年前まではAndoridアプリでは結構有力だった某サービスのアプリは、現在インストールはできますが、Android10では上記のようにエラーとなってしまいます
ちなみに、このメッセージは「機械によるアクセスを防ぐための認証が違っています」というものですが、このアプリでは、そもそも機械でないことを認証をする仕組み自体が、アプリ上にどこにもない(=実装されていない)ので、どうしようもありません
FAX送信料金はどうしてもお高くならざるを得ない
アプリ内でFAXを送信するためには、多くのアプリはアプリ内課金をすることになります
じつはこの料金がコンビニで送るより結構高いんです
大半のアプリは、海外製でインターネットFAXの国際通信網というのを利用していますが、ここにかかるコストをタダにはできません
さらに、GooglePlay/Apple のAppstoreでの利用は、3割ほどGoogleに手数料(フィー)を支払う必要があるため、どうしても料金を上乗せせざるをえません
FAXアプリ自体、ゲームのようなマス(利用者が多い)コンテンツではないため、例えば広告などでコストを吸収するビジネスモデルも難しいようです
eFAX、メッセージプラスとも、Google/Appleの課金システムは採用せず
代表的なインターネットFAXサービスでスマホアプリをリリースしている、eFax、メッセージプラスもやはりこの点は無視できなかったようです。
両者ともアプリの中で課金の仕組みを実装せず、契約はブラウザなど外部で行う選択肢をとっています(Amazonなどがこの方式ですね)(ただしeFAXはAndoroidアプリであれば単体で新規申込が出来ます。ただし、クレジットカードの登録が必要です)
その他の主要なインターネットFAXサービスは原則としてアプリをもたずブラウザで送受信ができる、というスタンスです
すこし難しい話になりましたが、スマホからのFAXの現状がわかっていただけのではないでしょうか
ニーズの違いがFAXアプリをオワコンへと追いやっていく
現在、FAXの送受信を安定して利用している顧客は「法人」や「事業主」であり、個人ではありません
そして、法人や事業主はFAXの送受信をFAX実機、またはインターネットFAXサービスを利用していて、スマホアプリはそのニーズからズレてしまっています
例えば、Googleでは特にAndroidPie(Ver9.0)からセキュリティの観点から、アプリに求められるレギュレーションが大きく変わりました
現状で残っているFAXサービス各社は、AndroidPie(Ver9.0)やQ(Ver10.0)に既存のフレームワークをなんとか対応させている状況と思われます
iOSもiOS12から大きく変化が起きました
従来までiPadとiPhoneで統一されていたOSが「iOS」「iPadOS」の2系統に分かれ、セキュリティルールも変わったため開発側の負担も増すばかりです
残念ですが、年に数回のFAXを送信するためにスマホでFAXを考えているのなら、郵送にするか、コンビニFAXを利用した方がいいようです
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検証したスマホアプリのランキング発表!
前述のとおり、インターネットFAXラボではAndroid/iOSのFAXアプリを検証しました
そのうち、みなさまにおすすめできるなと思ったのは3つだけです
残念ながら、1~2位は該当なしとしました
理由は、どのアプリにもイマイチな部分があるからです
たとえば、「eFax」「メッセージプラス」のアプリには、「SnapFax」にある「写真を撮って補正して送信する機能」がありません(この機能はとても便利なんです)


では、気を取り直して、おすすめの3つのアプリを紹介いたしましょう
ランキングとは順番が違いますが、「Snapfax」からご紹介します
スマホFAXのダークホース”Snapfax”をご紹介!
[GooglePlay] [AppStore]
ご紹介する「Snapfax」の開発元は、カナダのオンタリオ州にあるソフトウェア開発会社です
従業員規模は11~50名となっていますので、大手企業ではなく、中小企業のジャンルになると思います
アプリは日本語にローカライズされていて、その他のFAXソフトにありがちな英語でしか表示されない、ということもありません
今回のリサーチでは運営会社の経営基盤などを把握することが出来ず、今後このサービスの存続が担保されるかどうかはよくわかっていません
ですが、当ラボで検証した結果では、今の時点でのスマホFAXアプリの最適解です
ここではAndorid版の操作で解説しますが、iOS版も操作は基本は同じです
FAX機能は送信のみ、会員登録は原則不要です
まずは気になる料金から説明します
Snapfaxは、送信するには「FAXクレジット」が必要となる仕組みです
このクレジットはアプリ内で購入することが出来ます
4FAXクレジットで210円とコンビニFAXとだいたい同じくらいのコストですね
さて、アプリをダウンロード&インストールし、起動をすると最初に、お決まりのアクセス許可を求めてきます
起動完了すると、チュートリアルも何もなく、この画面となります
一番下にある「FAXクレジット 1」というのが、FAXを送るために必要な「FAXクレジット」の残量です
最初の1枚だけはお試しが出来るようになっています
ここで右下の赤い+をタッチすると、送信の手順が始まります
(+)をタップすると、「ドキュメントの取り込み元」をどこにするか選びます
ここでは「カメラ」をタップしてみましょう
カメラを使ったドキュメントスキャン機能が便利です
Scanfaxアプリの中で、上記のようにカメラ画面が立ち上がったら、右上の「手動」を「自動」に切り替えます
そして、FAXしたいドキュメントを撮影します
すると、自動的に歪みが補正されて、プレビュー画面となります
なかなか高性能で、細かい文字まできちんとつぶれずに読んでくれます
ドキュメントが自動的にPDFに変換されます
複数のドキュメントを送りたい場合数のドキュメントを送りたい場合「(+)ドキュメントを追加」をタップして同じ行程を繰り返します
送信先の情報を入力します
FAX番号の入力は、普段と同じように「050-1234-5678」ならそのまま入力します
Snapfaxが国情報から自動で「+81 50-1234-5678」のように番号を修正してくれます
ここらへん、とても気が利いていますね
送信先は複数追加できます
「(+)受信者を追加」で必要な送信先を追加していきます
なお、FAXクレジットが必要な場合は「(+)FAXクレジット」で追加をします
送信します
送信は右下の「(>)」の紙飛行機マークをタップします
確認も何もなく、いきなりFAXが送信されることとなりますので、今一度確認してから送って下さい
送信は思ったより早いです(体感ですが)
今回、IP電話に繋いだFAX、eFax、Movfax、メッセージプラス、秒速FAX Plusと主要なFAXへと送信してみましたが、いずれも安定してFAXを受信することが出来ました
元データと受信データを比較してみても、写真で撮影したとは思えないくらいに、良好な結果となっています
今回は紹介していませんが、撮影したデータに署名したり、墨入れなどもできるなど、以外に多機能なんですよ!
SnapfaxはiPadOSにも対応
SnapfaxはiPadOSにもネイティブ対応しています
使い方は全く同じですので、違和感なく使えます
SnapfaxはWindows/Maxにも対応
SnapfaxはWindwos/Macのアプリもあります
FAXクレジットの共有はできないのですが、「転送」という機能があるため、Androidで購入したFAXクレジットをWindowsに転送して利用するという使い方ができます
また、Andorid版のアプリはGoogleドライブのバックアップに対応しているなど、いろいろな機能があります(iOSはiCloudには対応していません)
Scanfaxを活用するならこんな場面
Scanfaxはあくまでスマホ単独のサービスでFAXを送る場合の選択肢です
ですが、カメラで撮影し、歪みを補正出来るところから、外出しているとき、ほんとうに必要な場面で、急きょFAXを送信するには十分有効かも知れません
Scanfaxを使った例ではないのですが、こんな具体例で活用できるかも知れません

高校生の子供が病欠をすることになったけれど、学校がどうしても病欠には診断を確認をしたい、しかもFAXを送信して欲しい、といわれたんだよね
うちはFAXなんてないし、田舎だからコンビニも歩いて1時間くらいのところだからね、どうしたもんかと思った時があったよ
最後に、Scanfaxは現時点では、Android / iOS 問わずに最適なアプリですが、今後の動向によってはおすすめでなくなるかもしれませんので、その点は御了承ください
インターネットFAXサービスを利用してスマホでFAXする
今回のエントリの原則ルールは「eFaxなどの主要なインターネットFAXサービスを使用せず、スマホ単体だけでFAXの送受信はできるのか?」でした
ですが、やはりスマホ単体のFAXサービスだけでは「受信するのにリスクがありコストがかかりすぎ」となります
確かに、FAXアプリ単体で受信契約をすることができますが、ほぼ海外番号しか取得できず、eFaxなどのインターネットFAXサービスに比べて割高であり、とてもおすすめはできません
そこで、スマホで現実的な送受信がしたいというみなさまに向けて、eFaxとメッセージプラスのスマホアプリでの送信方法を紹介します
eFaxのアプリは手堅いアプリです、カメラ撮影時の歪み補正がないのが残念
eFaxはインターネットファックス界では定番中の定番のインターネットFAXサービスです
簡単にメリットデメリットをまとめます
【メリット】
- スマホ・パソコンで送受信FAXの共有ができ保存期限は無期限
- 送信月150枚・受信150枚相当が無料
- 30日間完全無料のトライアル
- 鉄板のサービス
【デメリット】
- 初期登録費用1,100円、月額1,650円と少しお高めです
- 解約は電話のみ
eFaxのスマホアプリはAndoridであれば単体で新規申込が必要ですが、クレジットカードの登録が必要となります
また、解約は電話でのみとなっていますので、この点は注意しましょう
eFaxのアプリの使い方はシンプルで特に迷うようなことはありません
添付ファイルのクリップマークを押すことで、スマホ内のファイルや写真、Dropbox、iCloudなどのファイルを柔軟に送信することができます
iPadOSにもネイティブ対応しています
また、受信したファイルはフォルダ分けできるのも便利ですね
ただし、入力する番号は、「050-1234-5678」なら「5012345678」と先頭のゼロを省いて入力する必要があり、自動修正機能はありません
それから、ここは残念だなと思うのは、写真撮影をしたときに、歪みを補正する機能がありません
Scannerアプリで原稿を事前に作成する
スマホからFAXをする時は、カメラで原稿を直接撮影して送信するのが便利です
しかしながら、eFaxのアプリには撮影した原稿を自動検知して歪みを補正してくれる機能があありません
そこで、無料スマホアプリの「スキャンアプリ」を使うことで問題を解決します
スキャンアプリは、カメラで撮影した画像から文書を自動で抽出し、歪みや明るさ・コントラスを補正してくれるアプリです
いろいろなアプリがありますが、今回はAndroidは「SimpleScanner」、iOSは「GeniusScan」を使用しました
どちらのアプリもスキャンした後、アプリ内に保存するほか、スマホ内にファイルとして保存したり、iCloudやGoogleDrive、Dropboxに保存したり、メールしたり、外部のアプリに渡すことも出来ます
eFaxアプリはどちらも外部アプリとして、スキャンした結果を渡すことが出来ますので、eFAXで画像補正した書類をFAXすることができます
結果は良好でかなり細かな文字でも送信することが出来ます
送り先で急にFAX送信が必要となった場合にもこれなら安心して送信出来そうです
メッセージプラスのアプリも手堅くつくられています
メッセージプラスもインターネットFAXサービスでは定番でとてもおすすめです
とくに、FAX番号に電話をかけると留守番電話が応答し、留守番メッセージが音声ファイルでメールやアプリに受信されるという、ユニークなサービスも追加料金なしで受けられます
簡単にメリットデメリットをまとめます
【メリット】
- スマホ・パソコンで送受信FAXの共有ができる(保存期限は有限)
- 受信が無料(送信は1枚16.5円)
- 年払(10,450円)をすれば初期費用が不要
- メッセージプラス同士の総受信料が無料
- 留守番電話サービスが付帯している
【デメリット】
- 初期登録費用1,100円、月額871円のコストがかかる
- 無料トライアルがない
- 解約はWebから簡単にできる
メッセージプラスはスマホアプリから新規申込が出来ませんので、公式サイトからの申込が必須となります
メッセージプラスのアプリも、Andorid・iOS・iPadOSにぬかりなく対応しています
ログインすると最初に受信フォルダがひらきますので右上の「三」をタップしてメニューを開きます
送信は「FAX送信」のメニューから送信できます
送信については画面の送信先やファイルを満たすだけですので、特に迷うことはないと思います
ただし、eFaxと同じくカメラで撮影してそのまま送信も出来ますが、歪み補正ができません
しかもメッセージプラスのアプリはスキャンアプリの外部アプリとしては認識されないので、スキャンアプリで一旦スマホ内に保存してから、選択して送信する必要があります
この点はとても残念ですね
さて、ユニークな機能が大好きなメッセージプラスは、スマホアプリもただ送受信するだけにはとどまりません
なんと! 受信したファイルに手書きをしてそのまま返信が出来ます
iPadとApplePencilを使えば、送られてきた注文書にそのまま内容を書き込んで返信することで、あっという間にタスクが完了してしまいます
これは、とても強力な機能だと思います!
やっぱりスマホからのFAXもインターネットFAXがおすすめ
さて、スマホアプリを使ってのFAXを紹介してきましたが、まとめると次のようになりました
- スマホアプリでのFAXに無料はない
- スマホアプリでのFAX受信はインターネットFAXに契約してなければほぼ不可能
- スマホアプリでのFAXはオワコンになってきている
ここ数年で、インターネットFAXのサービスはずいぶんと変化してきています
数年後にどうなるかもわかりません
- ごくごくたまにしかFAXを送信しない場合はコンビニFAXを利用する
- ある程度FAXの送受信がある場合はインターネットFAXを契約し、スマホのアプリを賢く利用する
こういったことを一言でまとめると
「スマホでFAXするにはインターネットFAXサービスを契約していた方がいい」
ということになってしまいます
スマホ単体でのFAX送信はあくまで、そういったこともできるんだなぁと理解しておくのがおすすめです
専用アプリではありませんが、インターネットFAXサービスでも、スマホからの送信に最適化しているサービスがあります
例えば「秒速FAX送信」であればToonesアカウントを登録し、最低200円ほどクレジットを購入しておけば、スマホに最適化された画面でFAX送信がローコストにできます
今、ネットを使ってFAXをするのであれば、スマホかパソコンかをとわずインターネットFAXがやっぱりおすすめです
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