鈴木福ドラマ初主演が話題！惡の華実写化の配役選定理由とは

ドラマ惡の華プロジェクトの概要

テレビ東京が発表した惡の華の実写ドラマ化は、別冊少年マガジンで連載されていた押見修造氏の代表作を映像化するものです。原作は電子コミックを含めて全世界累計325万部を突破しており、1巻表紙の「クソムシが」という衝撃的な吹き出しで多くの読者の記憶に残る作品となっています。

本作品はこれまでアニメ、映画、舞台と様々な形でメディアミックス展開されてきましたが、今回のドラマ化では地上波放送に加えてDisney+でのアジア見放題独占配信が決定しています。配信は各話の地上波放送後のタイミングから開始される予定です。

鈴木福のキャスティング経緯と役柄分析

主人公の春日高男役を演じる鈴木福は、子役時代から俳優として活躍を続け、現在では朝の情報番組のパーソナリティーも務めるなど活動の幅を広げています。今回のテレ東ドラマ初主演という節目を迎えるにあたり、制作陣は鈴木の昨今の演技力を高く評価したと考えられます。

春日高男というキャラクターは、ボードレールの詩集惡の華を愛読することで自分は他のクラスメートとは違うと思い込んでいる少年です。良くも悪くも現実から目を背けてしまう一面があり、根拠のない自信を抱いている一方で、自分に都合の悪い状況からは逃げようとする癖があります。

物語では憧れのクラスメート佐伯奈々子の体操着を盗んでしまい、その光景を見ていた仲村佐和に翻弄されることで、自分も知らなかった自分と向き合っていくことになります。鈴木福自身のコメントでは、春日と近い雰囲気を持ちながらも話が進むごとにこれまで演じたことのないキャラクターへ変化していく点にワクワクしていると述べています。

あのの地上波ドラマ初主演という挑戦

もう一人のW主演であるあのは、世界中に熱心なファンを持ち若い世代を中心に歌手・俳優として人気を誇るアーティストです。テレ東ではレギュラー番組あのちゃんの電電電波でMCを務めていますが、テレ東のドラマ出演は初めてで、さらに地上波ドラマ初主演という大きな挑戦となります。

あのが演じる仲村佐和は、思春期に見られる葛藤を体現したキャラクターです。自分の生きる街や環境、社会に対する不満を持ち、自分の考え・感情・欲望に忠実であるがゆえに、本能や欲望を隠して生きる人間たちにいらだちを隠せません。

絶望に似た感情を隠さずにあらわにするため、周囲からは理解不能に見え、怖がられてしまうトラブルメーカーという難役です。あの自身は過去にこの作品を読んだ時の衝撃を「出会ってしまったという感覚」と表現しており、まさか仲村を演じる人生になるとは思っていなかったと述べています。

原作者押見修造氏の期待とキャスト評価

原作者の押見修造氏は、連載終了から10年以上経過してまた新たにドラマとして世に放っていただけることは稀有なありがたいことだとコメントしています。

鈴木福については昨今の演技を拝見して春日を演じていただくのがとても楽しみだと述べており、あのについては以前から仲村のような純粋さと反逆精神を感じていたと評価しています。原作者自らがドラマ化を記念して春日と仲村に扮した鈴木福とあのを描き下ろしたイラストを寄せるなど、プロジェクトへの期待の高さが伺えます。

制作陣が語るドラマ化の狙い

テレビ東京ドラマ制作部の漆間宏一プロデューサーは、思春期や性、少年少女の衝動をテーマにした作品であると説明しています。突飛な話のように感じるかもしれないが、揺れ動く思春期の感情は多くの方に共感いただける内容になっているとのことです。

鈴木福とあのが魅せる多種多様な感情表現により、春日と仲村の複雑な主従関係を体現していると述べています。コメディーもありシリアスもあり、どのシーンも感情を揺さぶられる内容で、Disney+での配信もあるためテレ東深夜作品の規模を超えた内容を届けられると期待を寄せています。

C&Iエンタテインメントの涌田秀幸プロデューサーは、生きていくことは変化していくことだという言葉を引用し、惡の華は春日高男と仲村佐和が生きるために変転していく話だと説明しています。ドラマでは物語の舞台を1998年に設定し、暦が2000年に変遷する時代を生きる少年少女の物語として描くとのことです。

キービジュアルに込められた意味

公開されたキービジュアルは、2人の主従関係を表しながらも春日と仲村の心の危うさを表現した神秘的なデザインとなっています。思春期の不安定さと、秘密の契約を交わし主従関係となった2人のどこか悦びに満ちた感情が生々しいほどに表現されているとのことです。

このビジュアルデザインは原作の持つ独特の雰囲気を映像作品としてどう表現するかという制作陣の意図を示すものと考えられます。