- Mrs.GREEN APPLEが第76回紅白歌合戦でロックバンド初の大トリに決定
- 紅白で披露する楽曲は、祝祭感あふれる「GOOD DAY」
- デビュー10周年&5大ドームツアー完走、朝ドラ出演など勢いが評価
- 紅組トリは7年連続でMISIAが担当し、豪華なフィナーレ構成に
- フェーズ2完結からフェーズ3へ「つなぐ」節目の歌唱としても注目
Mrs.GREEN APPLEが紅白大トリに決定
NHKは12月26日、大みそかに放送される「第76回NHK紅白歌合戦」(後7時20分〜)の曲順を発表しました。白組の最終歌唱者、いわゆる「大トリ」を務めるのは、3人組ロックバンドのMrs.GREEN APPLE(ミセスグリーンアップル)と明かされました。彼らが紅白本編の最後を飾るのは今回が初めてです。
紅白の長い歴史の中で、ロックバンドが白組・紅組として正式に「大トリ」を任されるのはこれが初めての快挙とされています。2018年にはサザンオールスターズが、嵐の大トリ歌唱後に「究極の大トリ」として特別枠で登場した例がありますが、レギュラーの曲順としてバンドが最終歌唱者に選ばれるのは前例がありません。第1回放送(1951年)から70年以上続く国民的音楽番組での「歴史的瞬間」を任されたことになります。
今回、Mrs.GREEN APPLEが紅白で披露する楽曲は、すでに発表されている「GOOD DAY」。晴れやかでポジティブなムードに満ちたナンバーで、番組のテーマである「つなぐ、つながる、大みそか。」とも響き合う選曲です。年末の締めくくりにふさわしい、祝祭感たっぷりのフィナーレステージが期待されています。
メンバーのプロフィールとこれまでの歩み
Mrs.GREEN APPLEは、ボーカル・ギターの大森元貴(おおもりもとき)、ギターの若井滉斗(わかいひろと)、キーボードの藤澤涼架(ふじさわりょうか)による3人組ロックバンドです。結成当初は複数メンバーで活動していましたが、現在はこの3人編成で「フェーズ2」「フェーズ3」という独自のコンセプトを掲げながら活動を続けています。
デビューは2015年前後から本格化し、2024〜2025年にかけては、タイアップ曲やドラマ主題歌などで幅広い層に浸透しました。キャッチーでありながらもどこか切なさを含んだメロディーラインと、心情に寄り添う歌詞が特徴で、10代〜20代を中心にファンを拡大。気づけば「国民的バンド」と呼べるほどの知名度を獲得しています。
今年はメジャーデビュー10周年という節目の年でもありました。これを記念して実施された5大ドームツアーでは、総動員数がおよそ55万人に達し、バンド史上最大規模の挑戦を完走。東京・名古屋・大阪・福岡・札幌と全国の主要ドームを熱気の渦に包み込んだことで、大型ライブバンドとしての存在感も一段と強まっています。
フェーズ2完結と過去の話題作との比較
Mrs.GREEN APPLEは、2022年3月からスタートした活動期を「フェーズ2」と名付け、新たなビジュアルとサウンドで再スタートを切りました。メンバー構成の変化や、楽曲の方向性を整理しながら、よりポップで開かれた表現へシフトしていったのがこの時期の大きな特徴です。フェーズ2は2025年の活動をもって一つの区切りを迎えたとされ、ファンの間でも「次のフェーズへの期待」が高まっていました。
フェーズ2の間には、「ダンスホール」や「ケセラセラ」など、ポジティブなメッセージと軽やかなグルーヴを持つ楽曲がヒットし、ライブでも大きな盛り上がりを見せました。一方、初期の「Speaking」「サママ・フェスティバル!」などの楽曲は、よりバンドサウンド色が強く、生々しいエネルギーを感じさせるナンバーとして評価されています。今回の紅白大トリで歌唱される「GOOD DAY」は、フェーズ2以降の代表的なポップ路線の延長線上にある楽曲と言えるでしょう。
「フェーズ3」は、来年元日から本格的に始動するとされており、新たなコンセプトやビジュアルの公開も注目ポイントです。紅白大トリでのパフォーマンスは、フェーズ2で築いてきたポップで開かれた世界観を集大成として示しつつ、フェーズ3の幕開けへと橋渡しする象徴的な瞬間となりそうです。
大森元貴の朝ドラ出演とステージでの魅力
今年のMrs.GREEN APPLEを語るうえで欠かせないのが、フロントマン・大森元貴の活躍です。大森は、今年前期放送のNHK連続テレビ小説「あんぱん」で、作曲家・いせたくや役を演じました。ミュージシャンとしての活動だけでなく、俳優としての一面を見せたことで、これまでバンドを知らなかった幅広い世代にも存在が知られるようになりました。
ドラマの中での大森は、繊細さと情熱を併せ持つ音楽家を自然体で演じ、その佇まいが「実際の大森本人と重なる」と視聴者の間で話題になりました。役作りの過程で培った表現力やカメラの前での見せ方は、ステージパフォーマンスにも良い影響を与えていると見られています。紅白の大トリという大舞台で、大森がどのような表情で歌い、カメラへどんな視線を送るのかにも注目が集まりそうです。
ライブでの大森は、ダイナミックなボーカルと細やかな感情表現を両立させるのが魅力です。声量豊かな高音域で会場を一気に沸かせつつ、バラードではささやくようなニュアンスも自在に操り、楽曲の世界観にぐっと引き込んでくれます。紅白本番でも、テレビの前の視聴者に向けて、ライブ会場さながらの没入感をどう届けるかが見どころになるでしょう。
紅白ステージでの演出と具体的な見どころ
今回の紅白歌合戦で、Mrs.GREEN APPLEがどのような演出で「GOOD DAY」を披露するのかにも多くの関心が寄せられています。大トリという立場から考えると、照明や映像演出、ステージセットは、番組全体の締めくくりにふさわしい華やかさとスケール感になると予想されます。ドームツアーで培ってきた大型ステージの経験が、NHKホールまたは会場演出にも活かされるかもしれません。
具体的には、観客が一体となって手を振ったり、サビでコール&レスポンスを行ったりするような「参加型の演出」が盛り込まれる可能性があります。歌詞の内容に合わせて、映像で青空や光のモチーフが投影されるなど、ポジティブな「1年の締めくくり」をイメージさせる演出も考えられます。紅白では、他アーティストとのクロスオーバー演出が行われることもあるため、エンディングで他の出演者がステージに合流し、大合唱のような形になる展開も期待できそうです。
また、テレビ視聴を意識したカメラワークもポイントです。バンド全体を捉えるロングショットだけでなく、メンバー一人ひとりの表情をクローズアップするカットを織り交ぜることで、ファンはもちろん、初めて彼らを知る視聴者にも魅力が伝わりやすくなります。紅白ならではの「お茶の間に寄り添う」演出と、ドームクラスの「非日常感」をどう両立させるかが、今回の大トリに課せられた大きなテーマとも言えるでしょう。
現在の音楽活動と仕事の広がり
Mrs.GREEN APPLEは、2025年現在、音楽シーンの中でも非常に多忙なスケジュールをこなしています。5大ドームツアーの完走に加え、フェスへの出演やテレビ番組でのパフォーマンス、ラジオや配信番組の出演など、露出の場は多岐にわたります。タイアップ面では、ドラマやアニメ、CMとのコラボレーションも増えており、楽曲を耳にする機会はこれまで以上に増えている印象です。
また、メンバー個々の活動も広がりを見せています。大森元貴は作詞・作曲家として、他アーティストへの楽曲提供やプロデュースにも携わるなど、音楽クリエイターとしての評価も高まっています。若井や藤澤も、バンド活動と並行してプレイヤーとしてのスキルを発揮し、レコーディングやライブサポートの場に参加するケースも増えています。
こうした多角的な仕事の広がりは、紅白大トリへの抜擢にもつながっていると考えられます。単に一時的なブームにとどまらず、音楽業界全体にとって重要な「顔」として認知されているからこそ、年末の国民的番組のクライマックスを託されたと言えるでしょう。
SNSでの反応とファンの声
Mrs.GREEN APPLEが紅白大トリを務めるというニュースが流れると、X(旧Twitter)やInstagramなどのSNSには、ファンや視聴者から多くのコメントが寄せられました。「ロックバンドが大トリって本当にすごい」「ミセスの勢いを象徴するニュース」「大森くんの朝ドラから紅白大トリまで一気に駆け上がった感じ」といった驚きや喜びの声が目立ちます。
一方で、「紅白で初めてちゃんと曲を聴いてみたい」「名前は知っていたけれど、大トリなら見てみようかな」という、ライト層や一般視聴者からの関心も高まっています。SNSでは、過去のライブ映像やおすすめ曲をシェアする投稿も増えており、「今年の大みそかはミセス予習会」と称してプレイリストを作るファンも見られます。
また、「GOOD DAY」を紅白の締めくくりに選んだことについて、「一年を明るく締めくくれる選曲でうれしい」「来年への希望につながる歌詞が、大みそかにぴったり」といったポジティブな意見も多数。SNSの盛り上がりは、そのまま当日の視聴率や話題性にもつながっていきそうです。
今後の展望とフェーズ3への期待
紅白大トリという歴史的な大役を務めたあと、Mrs.GREEN APPLEがどのような道を歩んでいくのかにも注目が集まっています。フェーズ2の完結が告げられ、来年元日からは新たな「フェーズ3」がスタートすると発表されていることから、年明け以降には新曲のリリースやツアーの開催、新ビジュアルの解禁など、さまざまな展開が予想されます。
フェーズ3では、これまで以上に海外展開を視野に入れた活動が行われる可能性もあります。配信プラットフォームを中心に海外リスナーを獲得してきた今、英語詞の楽曲や海外フェスへの出演など、新たなチャレンジに踏み出すことも考えられます。紅白大トリという実績は、国内外問わず「日本を代表するバンド」として紹介される際の強力な肩書きとなるでしょう。
ファンにとっては、紅白でのパフォーマンスが「フェーズ2のラスト」として心に刻まれると同時に、「フェーズ3のスタートライン」としても記憶されることになりそうです。Mrs.GREEN APPLEがどんな未来図を描き、どのようなサウンドで私たちの毎日を彩ってくれるのか。紅白のステージは、その答えを少しだけ垣間見せてくれる時間になるのかもしれません。