NiziUが誹謗中傷に警告声明 公式サイトで発表
NINA、MIIHI、RIMA、AYAKA、MAYUKA、MAYA、RIKU、RIO、MAKOの9人で活動するガールズグループ・NiziUの公式サイトが11月28日に更新され、アーティストの権利侵害に関する重要な声明が発表されました。
公式サイトでは「アーティストの権利侵害に関する行為について」と題した文章が掲載され、現在SNSやオンラインコミュニティなどで、アーティストの権利を侵害する様々な行為が確認されていることが指摘されています。
具体的には、根拠のない噂、誹謗中傷、セクシャルハラスメントに該当する不適切な投稿、さらにはプライバシーを侵害する行為が問題視されています。こうした行為は、アーティスト本人だけでなく、ファンコミュニティ全体にも悪影響を及ぼす深刻な問題となっています。
NiziUは2020年にデビューし、「Make you happy」などのヒット曲で知られる人気グループです。デビュー当初から大きな注目を集めてきた一方で、SNS上での様々な書き込みに晒される状況も続いていました。今回の声明は、こうした状況に対する明確な意思表示と言えるでしょう。
📋 NiziU声明 要点まとめ
- 発表日: 2025年11月28日
- 問題行為: 根拠のない噂、誹謗中傷、セクハラ投稿、プライバシー侵害
- 対応: 専門法務法人と共に法的対応を検討中
- 法的措置: 発信者情報開示、訴訟提起の可能性
- 警告対象: 投稿者だけでなく「いいね」や引用投稿も違法の可能性
- 現状: 複数の案件で裁判所より開示命令を取得
法的対応を検討中 専門法務法人と連携
声明の中で最も注目されるのは、具体的な法的対応についての言及です。所属事務所は「アーティストに対する悪意的な誹謗、名誉棄損、虚偽事実記載など悪性掲示物を提示および流布した者の資料を綿密に確保している」と明らかにしています。
さらに、専門法務法人と共に利用可能な法的対応を検討中であることが示されました。これは単なる警告ではなく、実際に法的手続きを進める準備が整っていることを意味しています。
「違法・悪質であると判断されるケースについては、専門法務法人に相談の上、発信者情報開示等の法的措置を適宜行う」との方針も示されており、悪質な投稿に対しては厳正に対処する姿勢が明確に打ち出されています。
特に重要なのは、「上記ケースを含め複数の案件について裁判所より開示命令が認められ、投稿者を特定し訴訟提起する可能性もある」という部分です。これは、既に一部のケースで実際に法的手続きが進行中であることを示唆しています。裁判所から開示命令が認められたということは、法的措置が具体的な段階に入っていることを意味します。
「いいね」や引用投稿も違法の可能性 注意喚起
今回の声明で特に注目すべきは、誹謗中傷の投稿者本人だけでなく、その拡散行為についても警告している点です。声明では「誹謗中傷記事を投稿した本人のみならず、他人の誹謗中傷記事を『いいね』をしたり、引用して投稿したりする場合であっても、侮辱や名誉毀損に該当し、違法となる場合もある」と明確に指摘されています。
これは、多くのSNSユーザーにとって見落としがちな重要なポイントです。自分で誹謗中傷の投稿をしていなくても、「いいね」を押したり、引用リツイートしたりする行為が、誹謗中傷の拡散に加担していると判断される可能性があるのです。
特にSNS上では、気軽に「いいね」やシェアをする文化が定着していますが、その対象が誹謗中傷や虚偽情報であった場合、自身も法的責任を問われる可能性があることを認識する必要があります。
声明では「これらの行為、拡散などは行わないよう、改めてご注意をお願い致します」と呼びかけており、ファンやフォロワーに対して慎重な行動を求めています。単に見て楽しむだけでなく、何らかのアクションを起こす際には、その内容が適切かどうかを十分に確認することが重要です。
発信者情報開示制度とは 法的措置の仕組み
声明で言及されている「発信者情報開示」とは、インターネット上で誹謗中傷などの権利侵害を受けた際に、投稿者を特定するための法的手続きです。2022年10月には改正プロバイダ責任制限法が施行され、この手続きがより迅速化されました。
従来は、まずサイト運営者に対してIPアドレスなどの開示を求め、次にインターネットサービスプロバイダに対して契約者情報の開示を求めるという2段階の手続きが必要でした。しかし、改正法により、一度の非訟手続きで発信者を特定できる新たな裁判手続きが創設されています。
NiziU側が「複数の案件について裁判所より開示命令が認められた」と述べていることから、既にこうした法的手続きを進め、実際に投稿者の特定に成功しているケースがあることが分かります。これは、今後の訴訟提起に向けた重要なステップとなります。
発信者が特定されれば、名誉毀損や侮辱罪などでの刑事告訴、または損害賠償請求などの民事訴訟を提起することが可能になります。匿名でのSNS投稿であっても、法的手続きを経れば投稿者を特定できることを示す重要な例と言えるでしょう。
増加するアーティストへの誹謗中傷問題
NiziUだけでなく、近年多くのアーティストや芸能人が、SNS上での誹謗中傷に悩まされています。匿名性の高いインターネット環境では、過激な言葉や根拠のない情報が拡散されやすく、被害は深刻化しています。
特にアイドルグループのメンバーは、常に注目を浴びる立場にあり、些細な言動や外見について批判的なコメントが集中しやすい傾向があります。こうした誹謗中傷は、アーティスト本人の精神的健康に深刻な影響を及ぼす可能性があります。
2020年には、女子プロレスラーの木村花さんがSNS上での誹謗中傷を苦に亡くなる事件が発生し、社会問題として大きく取り上げられました。この事件をきっかけに、ネット上の誹謗中傷に対する法整備や取り締まりの強化が進められてきました。
エンターテインメント業界では、所属事務所やプロダクションが、タレントやアーティストを守るために法的措置を講じるケースが増えています。NiziUの今回の声明も、こうした業界全体の流れの中にあると言えるでしょう。
NiziUのこれまでの活動と人気
NiziUは、ソニーミュージックとJYPエンターテインメントによる合同オーディション「Nizi Project」から誕生した9人組ガールズグループです。2020年12月にプレデビュー曲「Make you happy」でデビューし、縄跳びダンスが大きな話題となりました。
デビュー以来、「Take a picture」「Step and a step」「CLAP CLAP」など多数のヒット曲をリリースし、日本の音楽シーンで確固たる地位を築いています。韓国の音楽制作ノウハウと日本のエンターテインメント文化を融合させたスタイルが、幅広い世代から支持されています。
メンバーはNINA、MIIHI、RIMA、AYAKA、MAYUKA、MAYA、RIKU、RIO、MAKOの9人で、それぞれが個性的な魅力を持ちながらも、グループとしての一体感を大切にしています。テレビ番組やCM、ファッション誌など、音楽活動以外でも幅広く活躍しています。
人気の高さゆえに、SNS上での注目度も高く、ポジティブな反応だけでなく、批判的なコメントや根拠のない噂なども拡散されやすい状況にありました。今回の声明は、こうした状況に対する明確な対応方針を示すものとなっています。
SNS利用者が知っておくべき法的責任
SNSやオンラインコミュニティを利用する全ての人が、自身の投稿や行動に法的責任が伴うことを理解する必要があります。特に以下のような行為は、法的問題に発展する可能性があります。
名誉毀損は、公然と事実を摘示し、他人の社会的評価を低下させる行為です。たとえその内容が真実であっても、公益を図る目的がない場合は違法となる可能性があります。虚偽の事実を流布した場合は、より重い責任が問われます。
侮辱罪は、2022年7月の刑法改正により厳罰化されました。事実を摘示せずとも、公然と人を侮辱する行為は犯罪となり、1年以下の懲役・禁錮または30万円以下の罰金が科される可能性があります。
プライバシー侵害は、本人の同意なく私生活上の情報を公開する行為です。住所や家族構成、交友関係など、本人が公開していない情報を勝手に投稿することは違法となる場合があります。
セクシャルハラスメントに該当する投稿も問題視されています。外見や身体的特徴について性的な言及をすることは、相手の人格を傷つける行為であり、民事上の損害賠償請求の対象となり得ます。
ファンコミュニティへの呼びかけ
声明の最後では「ルールを守り、弊社所属アーティストを応援していただきますよう、お願いいたします」と、ファンに対する呼びかけが行われています。これは、健全なファンコミュニティの形成を求めるメッセージと言えるでしょう。
アーティストを応援する方法は様々ですが、その基本は相手への敬意と配慮です。批判的な意見を持つこと自体は自由ですが、それを表現する際には、他者の権利を侵害しない形で行う必要があります。
ファン同士のコミュニケーションにおいても、互いを尊重し合う姿勢が重要です。異なる意見を持つファンに対して攻撃的になったり、特定のメンバーを貶めるような発言をしたりすることは、コミュニティ全体の雰囲気を悪化させます。
SNS上での発言は、一度投稿すると完全に削除することが難しく、スクリーンショットなどで記録される可能性もあります。投稿する前に、その内容が本当に適切かどうか、一度立ち止まって考えることが大切です。
今後の展開と業界への影響
NiziUの今回の声明は、エンターテインメント業界全体に影響を与える可能性があります。明確な法的対応方針を公表することで、他のアーティストや事務所にとっても参考となる対応モデルとなるでしょう。
既に複数の案件で裁判所から開示命令が認められているという事実は、実効性のある対応が進められていることを示しています。これにより、安易な誹謗中傷投稿への抑止効果が期待できます。
一方で、表現の自由とのバランスも重要な課題です。正当な批評や意見表明まで萎縮させることがないよう、慎重な運用が求められます。所属事務所側も、どのような投稿が法的措置の対象となるのか、明確な基準を示していくことが必要かもしれません。
今後、NiziUがどのような具体的な法的措置を取るのか、そしてそれが誹謗中傷問題の改善にどの程度効果を発揮するのかが注目されます。アーティストが安心して活動できる環境の整備は、ファンにとっても望ましいことであり、業界全体で取り組むべき課題と言えるでしょう。
❓ よくある質問(FAQ)
Q1: NiziUはなぜ今回の声明を発表したのですか?
A: SNSやオンラインコミュニティで、根拠のない噂、誹謗中傷、セクハラ投稿、プライバシー侵害などの権利侵害行為が確認されているためです。所属事務所は専門法務法人と共に法的対応を検討しており、ファンや一般ユーザーに対して注意喚起を行いました。
Q2: 誹謗中傷の投稿に「いいね」をするだけでも違法になるのですか?
A: 声明では、誹謗中傷記事に「いいね」をしたり、引用して投稿したりする行為も、侮辱や名誉毀損に該当し違法となる場合があると指摘されています。拡散に加担する行為として法的責任を問われる可能性があります。
Q3: 発信者情報開示とはどのような手続きですか?
A: インターネット上で権利侵害を受けた際に、裁判所を通じて投稿者を特定するための法的手続きです。NiziU側は既に複数の案件で裁判所から開示命令を取得しており、投稿者を特定した上で訴訟提起する可能性があるとしています。
Q4: NiziUはどのようなグループですか?
A: NINA、MIIHI、RIMA、AYAKA、MAYUKA、MAYA、RIKU、RIO、MAKOの9人で構成されるガールズグループです。2020年にデビューし、「Make you happy」などのヒット曲で知られています。
Q5: 今後どのような対応が取られる可能性がありますか?
A: 悪質なケースについては、発信者情報開示を経て投稿者を特定し、名誉毀損や侮辱罪での刑事告訴、または損害賠償請求などの民事訴訟を提起する可能性があります。既に裁判所から開示命令が認められたケースもあるとのことです。
📝 まとめ
NiziUが公式サイトで誹謗中傷に対する警告声明を発表し、法的対応を検討中であることを明らかにしました。SNSやオンラインでの根拠のない噂、虚偽事実記載、セクハラ投稿、プライバシー侵害などが問題視されており、所属事務所は専門法務法人と連携して対応を進めています。既に複数の案件で裁判所から発信者情報開示命令を取得しており、投稿者を特定した上で訴訟提起する可能性もあるとのことです。特筆すべきは、誹謗中傷の投稿者だけでなく、「いいね」や引用投稿も違法となる場合があると警告している点です。アーティストを守るための法的措置が具体化する中、SNS利用者は自身の投稿や行動に法的責任が伴うことを改めて認識する必要があります。ルールを守った健全な応援が求められています。